不動産の売買仲介手数料の上限は、法律で売買価格×3%+6万円と定められている。つまりどんなに手間暇をかけて仲介業務をこなしても上限が決められているため、不平等な制度と捉えられることもある。例えば800万円のワンルームマンションを仲介した場合だと仲介手数料は30万円となる。一方、3億円のマンションを仲介した場合でも同じ手数料率になることから、手数料は906万円ということになる。一般的には取引価格が高額になるほど手間がかかるのだから手数料が高額になるのは当然だという見方をされるが、実態はそうではない。取引そのものの手間や煩雑さと価格の高低は全く関連性はない。むしろ高額な物件の売り主の方が不動産の取引そのものに慣れていて、不動産取引の常識を理解してくれている分、スムーズに取引できたりもする。
ただ、こうした取引内容について判断した上で手数料額が決められる訳ではないため、取引の仲介人である不動産業者はより納得感、もしくはよりお得な仲介手数料額をみずから設定しようとするという業界の裏事情が存在する。つまり手数料3%+6万円の上限を超える金額を売り主もしくは買い主側から徴収するというものである。ちなみに売り主から直接物件を預かっている仲介業者が買い主をみずから直接客付けをした場合は、買い主からも3%+6万円の仲介手数料を収受することができるため、最高で合計6%+12万円を受け取ることができる。しかしこの最高上限金額をさらに超える金額を取ろうと考える不動産業者がいるということをここでご説明したい。
【不動産未来予想図】「空飛ぶクルマ」が変える不動産価値
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目次
古くて新しい「空飛ぶクルマ」、その歴史は70年以上!
①自動車が翼を持って飛行する形態
②小型パーソナル航空機
③人が乗れるドローン
の3種類に分類される。
「空飛ぶクルマ」の歴史は実のところ、古くからあり、①のカテゴリーで、「Aero car」と題するものが1946年より設計が開始され、1956年には飛行許可を得るに至った。この「Aero car」は地上走行時には主翼を取り外して牽引し、滑走路で主翼を取り付けて空を飛んだ。500台以上の注文が集まれば生産も予定されたものの、計画の半分しか顧客は集まらず、市販には至らなかった。この分野での最新の開発動向としては、MITの学生らが企業し、中国企業に買収されたTerrafugia社の「Transition」、スロバキアのエアロモービル社が開発中の「Aero Mobile 5.0」などがある。
②のカテゴリーでは、米国の航空機メーカーであるロビンソン・ヘリコプターが開発・量産している2座席のレシプロエンジンヘリコプターが代表的であり、1973年より開発が開始され初飛行は1975年8月28日であった。現在までに4,400機以上が生産されている。参考までにヘリコプターの歴史を紹介すると、1907年にフランスで飛行試験が初めて行われ、「フォッケウルフFw61」による本格的な初飛行が1936年、「シコルスキーVS-300」による本格的な飛行が1940年、「ベル47」による本格的な民間ヘリが1945年となっている。
やはり注目は有人型ドローン、2016年にすでに試験飛行を成功
さて、「空飛ぶクルマ」の定義であるが、垂直離発着が可能である事が条件であり、この点で離発着時に傾斜角を必要とするヘリコプターとは異なる。また、騒音もヘリコプターと比較して約4分の1のボリュームとなっており、使用する部品点数も自動車が3万点の部品を必要とするのに対し、「空飛ぶクルマ」はその100分の1の部品点数で済むといった違いがある。また、機体重量も300キロ程度と軽量であり、パラシュートも搭載されていることから高い安全性を有している。
「空飛ぶクルマ」の産業化はもはや秒読み段階?
不動産価値の変化だけでなく、社会のパラダイムシフトに備えろ!
① 産業構造の変化であるが、自動車産業がこれまで作り上げてきたTier1、Tier2といったピラミッド構造が崩れ、新たなバリューチェーンが生み出されるであろう。
② 大都市集中の緩和として、通信技術、ネットワーク技術の発達と「空飛ぶクルマ」の普及により、大都市集中の社会構造の必要性がなくなるであろう。
③ 過疎地や限界集落で脳梗塞等の状態に陥ったとしても、“ゴールデンタイム”と呼ばれる時間帯での治療が可能になるケースが増えるであろう。
④ 不動産の価値の変化として、都心から電車で1時間の駅から徒歩10分の国分寺の70m2のマンションよりも、都心から「空飛ぶクルマ」で20分の山梨県の大月市の広い戸建てのほうが、都心からの移動時間を50分短縮できるので、より価値があるとみなされる時代が来るかもしれない。
筆者は不動産投資家として、この④の影響について今後検討を続けていきたいと考えている。
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