ポスクロは「ポストクロージング」の略語で、不動産の売買決済後に互いにもしくは一方のみが義務を履行するということである。実際の不動産取引おいてポスクロを使うことは、通常リスクを伴うことでもあるのでなるべく避けるようにしたい。
不動産営業は「きつい」は嘘!! 転職・新卒の方に伝えたい
・厳しいノルマを課せられているから
・休みが少なく、残業も多いから
・業界内に競合が多いから
・景気に左右されやすい職種だから
おそらくいずれも本当のことであり、否定する気は全くない。実際に厳しいノルマを課されて、残業が多い不動産会社は今もって存在する。
この記事を読んでいる方は、これから不動産業界に転職しようと考えている方、もしくは新卒で不動産会社に就職しようとしている方が多いのではないだろうか。そこでこういう不動産会社に入社すれば、決して「きつい」とは感じずに済む会社選びの方法を伝授しようと思う。
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ノルマがきつくない会社選びとは?
■会社が収益不動産を複数棟保有しているか
収益不動産をを保有している会社であれば、賃料収入を安定して得ることができ、社員の給料のベースをある程度支払うことができるということである。つまり超短期間で成果を上げることを求められる可能性は低くなり、ゆっくりとしたペースで仕事ができるだろう。
■管理物件を複数抱えているか
管理物件についても収益不動産の保有と同じ意味合いで、管理棟数が多ければ、それだけ管理収入を得られるため、こちらも社員の給料の最低限を賄うことができるだろう。ただし、収益不動産を保有している場合に比べ、管理収入はかなり少額になるため、社員のベースと言えるレベルとなるとかなりの棟数を管理していなければならない。
■設立20年以上の会社か
設立から間もない会社だと当然資本力がないため、瞬間的な利益を追求する営業スタイルに傾きがちである。しかし、設立から20年も経過していれば、一定の実績を毎年上げて来られたから存続できているのであり、それなりの内部留保と固定資産を保有している可能性が高くなる。いわゆる「老舗」企業を選択しておけば、「きつい」営業を強いられる可能性はかなり低いだろう。ちなみに「老舗」と呼ぶには40年以上の歴史は欲しいところである。
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■不動産以外の事業を主たる事業としているか
不動産会社に入社したいの不動産以外の事業をメインにされていても困る、という方もいらっしゃるかもしれないが、「きつい」営業をどうしても避けたいのであれば、ここは結構重要なポイントである。 不動産業以外の事業が主たる事業とはどういうことか。例えば
小売り業、金融業、メーカー、マイナーなところだと造船業などもあったりするが、売り上げのほとんどがそれら主たる事業で占められており、不動産による売り上げはついで程度というような企業のことである。その企業の資産管理会社的な立ち位置である場合が多いようだが、この「資産管理会社」というところがポイントである。資産管理会社は、大抵の場合営業目標を持っておらず、主たる事業で余った資金を不動産にあてて会社全体の事業をリスクヘッジする意味で資産を増やして行くことが目的の会社である。つまり昨期の売り上げを超える目標を無理矢理掲げるようなことはせず、良い案件があれば取り組むというスタンスである。「待ちの営業」スタイルなので、「きつい」ということはまずないだろう。
■不動産の買取り・仕入れ業をメインの職種としているか
不動産の仕入れ業をメインとしているかというのは、自分の職種の選択につながる話にもなる。仕入れができるということは、その会社は資本力があるということであり、会社の体力があれば、個々の社員に必要以上のノルマを課さなくなってくる。また仕入れ業は、売買仲介業に比べ、一回の取引による利益額は大きいため、頻繁に取引を行わなくても一回の利益で多数の社員分の給料を賄うことができる。また仕入れ業の中でも、区分マンションの仕入れ業となると仲介業並に毎月忙しかったりする。だから扱う物件が大きい会社を選べば、その忙しさは逓減することだろう。3,000万円の区分マンションを扱う会社であれば、毎月2本仕入れることを課されても何等おかしくはない。ところが10億円のオフィスビルを仕入れる会社であった場合、毎月仕入れるなどということはちょっと考えづらい。投資ファンドであれば一度にバルクで複数棟を仕入れるケースもあるため、月割りにして月1本単位で仕入れています、ということもあるかもしれない。もちろんその分作業時間が集中的に過密化し、職場で一晩明かしましたということも稀に聞く話である。
要するにその会社の資本装備力に対して適度なスケールのある物件を数ヶ月に1回程度扱っている会社であることがポイントで、それが結果的に社員への労働環境を良くするのである。
■「火・水」ではなく「土・日」休みか
休日が「火曜か、水曜か」それとも「土曜か、日曜か」ということは、つまりリテール営業が法人営業かということでもある。一般的には「土・日」休みの会社を選択した方が、「きつい」ノルマは課されにくいと言えるだろう。先ほどの話と重なってくるが、リテール営業の方が扱っている価格帯が数千万円の価格レンジになり、数億円の価格レンジを取り扱う法人営業よりも取引件数を多くこなさなければならない。その上、リテール営業の場合、火曜・水曜の休日であってもお客様は活動しているのだから、休日対応を強いられる可能性がある。また終業時間が18時と決められていてもお客様からすれば関係のない話で、夜遅くに電話連絡をしてくることもしょっちゅうである。法人営業で「きつい」というのはあまり聞かないが、リテール営業では「きつい」は割と付きものだと思っておいた方が良いだろう。
■賃貸仲介営業か、売買仲介営業か
一般の方が不動産業と聞いて思い浮かべる職種は、「賃貸仲介」と「売買仲介」の二つだろう。どちらが「きつい」か、と聞かれれば、「賃貸仲介」の方がきついと即答する。これはやはり扱っている価格帯が売買仲介と比べたとき「0」が一つ、二つ違うからである。特に賃貸のリテール仲介は「きつい」の一言だろう。一回の取引金額が数万円などということもざらである。月に10件ぐらいのノルマを課されても全く不思議ではない。もちろん高級レジデンスに特化して賃貸仲介であれば、比較的その忙しさも緩和されるであろうし、もっと言えば賃貸仲介の法人版なるものであれば売買仲介と同じぐらいの時間の流れで仕事ができる。月額賃料数百万円のオフィスの賃貸仲介業がそれに当たるだろう。「きつい」順を序列化すると以下のようなイメージである。
リテール系賃貸仲介 < リテール系売買仲介 < 区分マンションや戸建用地の仕入れ営業 < 法人系賃貸仲介 < 法人系売買仲介 < 1棟オフィスの仕入れ営業 < マンション等の規模の大きい土地の仕入れ営業
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待遇の悪くない会社とは?
■女性社員の割合はどれぐらいか?
事務職員も含め女性社員が1割未満だと職場環境は「きつく」なりがちである。やはり男性社員への指導と女性社員への指導とでは厳しさに差が出てしまう。不動産業界は男女不平等な社会であり、女性には優しく、男性にはかなり厳しいのである。女性社員が多ければ職場の雰囲気もマイルドになり、厳しい檄が上司から飛んで来ることもあまりないだろう。また事務職だけでなく営業職にも女性社員がいればよりマイルドな職場になるだろう。
■社内のIT化はどれぐらい進んでいるか?
不動産業界は全般的にITリテラシーが低いと言われており、50歳以上となるとパソコンをまともに触れない社員もざらに存在する。もちろんそうは言ってもIT化への取り組みは企業によってはかなり進んでおり、ペーパーレスは当たり前で、タブレットを携帯させすべてクラウドで書類管理することによって、社員が自宅で仕事できるようにしているところもすでに存在する。不動産業は紙媒体による書類管理は非常に多く、稟議決済事項も異常に多かったりする。それを非効率と考え実践しているか否かは、今後10年の業界の編成を考えると企業の存続そのものにも婉曲に関係してくるように感じる。10年先の会社の在り方を考えている企業であれば、職場環境に対する経営者の意識も高く、風通しの良い会社である可能性が高いだろう。職場のIT化の進捗具合はその一つの物差しになるに違いない。
■固定給は高めか、残業手当は出るか
待遇の良し悪しはイコール固定給の高低と言っても過言ではないだろう。また残業手当が出るかも重要なポイントである。まず基本的には大手企業の方が固定給は高いと考えるべきである。大手以外の不動産会社となると、そもそも固定給を下げて歩合含めて年収総額1千万円以上とうたっているだけであり、結局年収に対する歩合による給料の割合が上がるほど「きつい」営業になって行くだろう。もちろん歩合制を取り入れている会社がすべて待遇が悪いと言っている訳ではない。大切なのは固定給に対する歩合の「割合」である。固定給が10万円に対して歩合率が30%と言われても、ほとんどの人が待遇が良いとは考えないだろう。固定給50万円に対して歩合率が10%と言われれば、待遇が良いねとほとんどの人が言うだろう。固定給は高いに越したことはないが、大手企業以外だと、固定給だけで1千万円の大台に到達するのは部長クラスか役員クラスだけである。そうなると収入を歩合で補填して行く必要があるが、歩合率がどれぐらいかは転職する前に事前に確認しておくべきだろう。また仲介営業か仕入れ営業かなどの職種によっても歩合率は異なってくるので、その職種ごとの歩合率の相場のようなものをリサーチしておくと良いかもしれない。
残業手当については大手不動産会社以外では決して当てにしてはいけない。法律上、残業手当を企業側が出さないといけないことになっているが、残業時間30時間までは固定給に含むなどとあらかじめ織り込んでいるケースがほとんどで、もちろんこれは違法なことではない。大手であれば、固定給とは別に残業手当をしっかりと支給するところもあり、20歳代半ばで700~800万円位の年収を得られることも珍しくない。大手不動産会社に入れる自信がないという方は、中小企業で過剰な歩合率を設定していない、そこそこの固定給を出してくれるところを選択すると良いだろう。
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